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タンパク質・RNAの動的構造と機能発現

学友会セミナー

学友会セミナー:2007年09月26日

開催日時: 2007年09月26日 16:00~17:00
開催場所: 東京大学医科学研究所 アムジェンホール大会議室
講師: 濡木理 教授
所属: 東京工業大学大学院生命理工学系研究科
 生命情報専攻
演題: タンパク質・RNAの動的構造と機能発現
概要:

生体分子はダイナミックな構造変化をすることで、細胞内で高次生命機能を発現する。濡木博士は、タンパク質やRNAの動的な構造をムービーとして解明することで、これらの分子機能メカニズムを原子分解能レベルで明らかしようとX線結晶構造解析を精力的に推進している。現在、2つのプロジェクトに関して動的構造と機能の相関の解明をめざし、目覚ましい成果を挙げている。一つは、トランスファーRNA(tRNA)の成熟とアミノアシル化に働く酵素群の研究であり、もう一つは、受容体およびトランスポーターに代表される膜タンパク質の研究である。前者では、遺伝情報の変換という高精度の化学反応の触媒機序について数々の新知見を明らかにした。後者では、上皮成長因子とその受容体の活性型複合体の結晶構造を解明し、チロシンキナーゼ型受容体の新規の活性化機構を明らかにした。また最近、マグネシウムのホメオスタシスに働くトランスポーターの構造解析に成功し、マグネシウムがイオン透過チャネルの開閉を制御することで、細胞内マグネシウム濃度が一定に維持される機構を解明した。これら最新の研究成果をお話し頂く予定です。

世話人: 中 村 義 一
笹 川 千 尋