東京大学医科学研究所

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医科学研究所の紹介

ようこそ医科学研究所へ

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白金の高台にある東京大学医科学研究所のキャンパスは目黒通りと外苑西通りに囲まれている。目黒通りに面する正門から入ってくると、緑に囲まれた公園と赤茶色のレンガつくりの近代医科学記念館がまず目に留まる。緩く曲がっている道を進むと、木々の間から時計台のある3階建てのゴシック様式風の本館が見えてくる。関東大震災のすぐあと、のちに総長となる内田祥三が耐震・耐火建築研究の実績にたって設計したものである。本館の奥には、8階建ての真新しい病院棟と研究棟が並び、その左右には基礎研究と臨床研究のための建物が密集している。ここまで来ると緑がすくなくなっている。約7万平方メートルのこの敷地に、1000人近くの教職員、研究員、ポストドクトラルフェロー、大学院学生らが、医科学研究と先端医療に励んでいる。

東京大学医科学研究所の大きな特徴は、附属病院を持つわが国最大規模の生命科学の研究所であることである。100余年前に北里柴三郎が創立した私立衛生会附属伝染病研究所を前身とし、当初から病院を有し、ベンチからベッドへの精神のもと、伝染病に苦しむ人々の治療に向けた研究と医療が進められた。40~50年前に社会の衛生状態が改善されると、研究所では伝染病のための研究だけでなく、がんや免疫疾患についての研究も行われるようになってきた。現在では、がん、感染症やその他の難治疾患を対象にした最先端の研究と医療が進められている。

さて今、近年の分子生物学や細胞生物学、発生工学の著しい進展とゲノム科学の急展開を背景に、ゲノム情報やタンパク質情報に基づいて、生命体をシステムとして捉える研究が進みつつある。私どもはこの様な基礎医科学研究を進めること、その成果を臨床につなげるトランスレーショナルリサーチを推進すること、ゲノム情報を基盤とするオーダーメイド医療を実践することを、研究所の使命として掲げている。このような生命・医科学の基礎研究と、ゲノム医療、 細胞・遺伝子治療などの先端医療開発をより効果的に進めるために医科学研究所は、

  • 「感染・免疫」、「癌・細胞増殖」、「基礎医科学」の3基幹研究部門
  • 「ヒトゲノム解析センター」、「ヒト疾患モデル研究センター」、「先端医療研究センター」、「感染症国際研究センター」の4基盤研究センター
  • 先端的探索医療を目指す研究所病院
  • 実験動物研究施設、疾患プロテオミクスラボラトリー等の研究施設

を有している。

基幹研究部門では「個人の自由な発想に基づく独創的な研究」を、基盤研究センターと研究所病院では「目的志向型の研究」を進め、その連携の下に、「ベンチからベッドサイドまで」を包含する医科学研究を展開している。

大学が何をするところかについては多様な考えがある。おおよそ同じカテゴリーに含めることができないほど数多くの種類の大学があり、それぞれに重要な役割を果たしている。多様性の中で共通していることは、次世代の若者に未来に続く「知」のバトンをつないでいくことである。わが国随一の学術研究・教育の場である東京大学はアクションプランに明示されているように、世界の知の頂点を築くことを目標としている。言い換えれば人類の財産である学問文化の継承と新たな知の創造が私どもの使命であり、また同時にそれを社会と共有するための努力も必要であると認識している。分子生物学やゲノム科学、臨床医学の成果から創出される厖大な情報から新たな知識体系を構築し、生命と病気に関する医科学の研究を未来につないでいく役割を医科学研究所は持っている。その目的に向って白金台キャンパスには、医学、薬学、理学、工学、農学、数理科学、人文科学といった広範な学問背景を持つ教員、ポストドク、大学院学生が集まり、学際的にがん・感染症を中心とする医科学研究を推進している。この多様性の中での研究推進は新しい概念の創出を加速するものであると確信している。

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医科学研究所の個々の研究者が国際的な研究活動を展開していることは言うまでもない。一方研究所レベルでも、パスツール研究所やカルフォルニア大学、ソウル大学等々との連携を深める一方、近年では中国科学院と合同の研究室を設け、また中国清華大学やベトナムハノイ医科大学などと交流を深めながら、感染症をはじめとし、癌、再生医学の研究分野でアジアのリーダーとしての役割を果たしている。医科学研究所は、今後とも生命科学・医学の最先端を進む世界的な研究の場であり続けることを決意している。

所長