東京大学医科学研究所

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所長メッセージ

メディカルゲノム専攻学位授与式 所長祝辞

2012年03月22日

本日ご出席の皆さん、東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻での研鑚が実を結び、本日ここに学位を授与されますことに、心からのお祝いを申し上げます。また同時に、皆さんを暖かく見守り、支えてこられましたご家族の皆様にも、心からお祝いを申し上げます。
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ご存知のように、先日の3月11日に東日本大震災・津波から丸一年を迎えました。 尊い命を失われた犠牲者の方々に心からお悔やみ申し上げます。また、現在も厳しい状況で生活されている沢山の被災された方々にも、お見舞い申し上げます。被災地の復興および被災者の方々の支援につきましては、東京大学はアカデミアとして出来ることを通して関与し、貢献しております。 私達も医科学、生命科学研究、教育、医療を通して継続的に復興に関与し、今後も所一丸となって直接的・間接的に貢献していくつもりであります。

このような歴史的国難と言うべき試練に直面し、我々国民一人一人は日本再生に向けて様々なことに果敢に「挑戦」する精神を求められています。しかし、ただ単に「挑戦」を鼓舞するのではなく、東京大学は最高学府としての学際的・学問的環境をベースとした、日本再生に向けての「創造的挑戦」または「Creative Challenge」を先導していかなければいけません。医科学研究所としましても、医科学分野での最先端の基礎・臨床研究という最大の強みを生かし、また、科学者として新たな発見の前に立ちはだかる困難に果敢に立ち向かう「科学者魂」を発揮し、「創造的挑戦/Creative Challenge」を通して、日本の復興へ最大限の貢献をしていくべきだと考えています。 本日、学位を授与された皆さんも、その学位記に込められた意義を各自吟味され、修得された学問的専門性を基盤とした「創造的挑戦/Creative Challenge」を通して日本の復興に貢献していただきたいと強く願っています。

医科学研究所は今年、北里柴三郎博士が創設された伝染病研究所の時代から数えて創立120周年、医科研に改組されてから45周年を迎えます。この節目の年に、120年という歴史を単に振り返るのではなく、その伝統を大切にしながらも、次世代に向けての継続的進化の為の第一歩を踏み出すべく、また、自他ともに世界トップと認める研究所となるべく、更なる進化を目指し、組織の改革・改組に「挑戦」しております。ここでも「創造的挑戦/Creative Challenge」が鍵を握っています。この新しい体制作りは、5年後の2017年、つまり伝研から125周年、医科研50周年の年を目指して推進し、これまでも機会のある毎にご紹介しておりますように、医科研(英語略称IMSUT)が125/50周年を目指して、世界の頂点に立つ、Number One になるという意味を込めて"IMSUT One to Gogoプロジェクト"として所のメンバー一丸となって目標達成を目指して進んでいきたいと思っています。 

医科学研究所と同じく、皆さんも本日ひとつの節目を迎え、心新たに新しい一歩を踏み出すわけです。学位授与式は英語で"Commencement"と言います。この言葉には"Beginning, Start"つまり「新たな挑戦への始まり」という意味が込められています。本日は皆さんにとって終わりではなく、新たな"始まり"なのです。これから社会に出て企業活動に参加する方、さらに博士課程に進学される方、博士課程を修了し研究や教育を続ける方、まったく異なる分野・領域に進まれる方、皆さんそれぞれの道に進まれるかと思います。新しい世界の始まりに興奮と不安で胸がいっぱいのことと思いますが、どんな時でも、是非皆さんには、本学、大学院メディカル専攻で学び、蓄積した知力・実力を糧に、失敗を恐れず、新しいことに「挑戦」し続けていって頂きたいと思います。「創造的挑戦/Creative Challenge」です。 失敗をしてこそ新しい発見があり、新視点から色々な事が見えてきたりもします。そして、大学院メディカル専攻で学び、蓄積した知識・技術を基盤として、各専門分野・領域・業界で"Only One"の存在となり、輝きを持って成長し続けて、社会を先導して下さい。
医科学研究所では、皆さんのように将来医科学・生命科学分野の先頭に立って活躍する可能性を秘めた優秀な大学院学生や若手研究者を毎年のように育て、社会に輩出していることに誇りを持っています。本日学位記を授与された皆さん全員が私達教員にとっての誇りです。もちろん、我々は世界のナンバーワンを常に目指して、国際競争の中で切磋琢磨していかなければいけません。しかし、ナンバーワンを目指した国際競争の中では、勝つこともあれば時にはもちろん負けることもあります。思うようにいかず、挫折を感じた時には、原点に立ち戻り、充電し、英知を磨き、新しい成果を出して、再度世界での競争に立ち向かって行って下さい。そんな時、医科研は皆さんの母校です。必要な時には、この白金台キャンパスに帰ってきて、明日へのエネルギーを充電させ、挑戦し続けて下さい。
是非、医科学・生命科学を通して、より良い社会の為に貢献できる創造性あふれるリーダーとして、「創造的挑戦/Creative Challenge」を続け、日本だけではなく世界の発展の為に活躍していって頂きたいと願います。最後になりましたが、「C3/C Cube: Creative Challenge for Commencement」、「C3/C Cube: 創造的挑戦による新しい出発」という言葉を無限の可能性を秘めた皆さんに贈り、皆さんの活躍に期待し、また、これからの人生に幸多き事を祈念し、お祝いの言葉とさせて頂きます。