東京大学医科学研究所

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所長メッセージ

平成21年度初めの挨拶

2009年04月01日

新しい年度を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
まずは、私の第一期の所長任期が無事に終わりましたことをご報告し、皆様方のご協力に深く感謝いたします。また、今年度からは第二期に入りますが、昨年と同様の執行部体制で臨ませていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

簡単に平成20年度を振り返って見ましょう。昨年度は、小宮山東大総長の任期の最終年度にあたり、アクションプランの総仕上げが行われました。皆様方のご協力もあり、120%を達成したと総括をされていました。世界の頂点を目指す東大に向けた舵取りと新しい体制の整備が進みました。

法人化後の最初の中期目標・中期計画が終わろうとしています。その達成度の暫定評価が1年前倒しで行われました。この評価に基づいてH22年度から始まる中期目標・中期計画に対する運営費交付金が決まる重要な評価です。最終評価は3月27日に発表されたばかりです。評価は色々な項目に付き5段階でされます。東京大学はほとんどで4-5の良い評価でしたが、「その他業務運営に関する重要項目」で2点という低い評価点が付きました。これは昨年の農場の農薬問題と大学院入試漏洩問題が原因となっています。医科学研究所は研究活動と成果の両方で「期待される水準を上回る」という評価をいただきました。

小宮山総長のリーダーシップのもと、男女共同参画室が中心となって、全学の保育施設の整備が進みました。医科研キャンパスでも老朽化したひまわり保育園の改築が行われ、保育時間の延長もされ、ママさん職員の支援体制が充実しました。

研究組織としては、幹細胞治療研究センターが始動しました。基礎研究から治療までを考えた非常に医科研らしいセンターで、ES細胞やiPS細胞の基礎から応用までの研究が展開されます。

また、21世紀COEを引き継いだグローバルCOEプログラムとして「ゲノム情報に基づく先端医療の教育研究拠点」が採択されました。この拠点では、オーダーメイド医療の実現と感染症の克服を目指して感染症とゲノム医療の分野を中心として世界のリーダーとなる人材育成を行い、そのことを通して研究拠点の機能も高めることを目指しています。

外国および国内の高名な研究者を4名ずつ招待して、医科研の外部評価を行いました。すべて英語で行われ、研究所の運営、各部門センターの運営、各研究分野の活動を2日にわたって行いました。結果は既に報告書として印刷物にまとめられており、HPにも公開予定です。

また、昨年は臨床研究を行う上で倫理に係わる手続きを軽視した問題が起こり、メディアでも取り上げられました。医科研はこの問題の発生原因に対して真摯に取り組み、改善策を講じました。改善策の一環として、研究倫理支援室を開設し、臨床研究倫理の教育と監視体制を強化しました。これら一連の取り組みはすでにウェブでも公開した所でもあり、各方面から高く評価されています。

法人化後の研究所組織を機動的に運営統括するための組織として、所長オフィスを充実させました。ここで、所長オフィスについて、少しご紹介しましょう。
以前は何事も教員を中心とした委員会で、案を練り、方針を決め、実行をしていました。法人化後の組織運営には、研究所として重要な事項を統括し、機動的に実行するための体制強化が必要であると考えて所長オフィスをスタートさせました。企画室では、研究所として取り組んでいる大型プロジェクトの統括を行っています。経営戦略室では医科研の組織目標を実現するための諸問題を整理し、解決する戦略を練る仕事を行っています。産業界や地域との連携事業の可能性についてもここで検討をしています。国際連携室は、ますます進む国際化に対応して、海外から医科研に対してのアクセスポイントとして機能しています。また、所内の外国人研究者や学生の支援、研究環境の国際化への対応を行っています。アウトリーチ室では、医科研の研究活動を一般の方々にもわかっていただくための啓蒙活動の企画や、見学者の受け入れを統括しています。研究倫理支援室についてはすでにご紹介しました。所長オフィスが整備されたことにより、執行部が選挙により変わっても組織運営の継続性を保ちながら、リーダーシップを発揮できる体制を整えることが出来たと思います。

さて、H21年度の東大は新しい総長として、昨年度まで副学長・理事を勤められました濱田先生を迎えて新執行部体制がスタートします。基本的には小宮山前総長が築かれた路線が引き継がれますが、今回から総長の任期は6年間となります。徐々に新機軸が出てくると期待されます。新総長のもとで、現在の中期計画の最終年度を終え、次期の中期目標・中期計画に向けての助走が始まります。

昨年度の概算要求で、ヒト疾患モデル研究センターを母体として、新たにシステム疾患モデル研究センターの立ち上げを要求しました。残念ながら、今年は調査費が付いて1年準備期間をおくことになりましたが、前倒しでスタートさせるべく作業を開始しています。

もう一つ大きな変化がありそうなのは、研究所の拠点化です。これは、大学附置研究所が大学法人内の内向きの活動ではなく、広く学術コミュニテイーの研究を支える拠点として活動をすることを文科省が求めているもので、医科研もこの拠点化に手を上げています。採択されれば、今年度から拠点としての共同研究を展開します。医科研はすでに実質的な拠点として活動を行っていますが、それらをもう少し組織的に展開をすることになります。結果として、医科研の研究活動の向上に反映されること期待しています。

さて、医科研の歴史は長いと思っていましたが、ついに2012年には120周年を迎えることになります。そこで、節目の年の祝いに向けて、医科研の更なる進化を目指した将来構想を練ることにしました。合言葉は“IMSUT to the Top: Beyond the Future”です。

医科研には、教員、研究者、学生、医師、病院職員、技術職員、事務職員という職能集団から構成されており、それぞれの役割を果たすことにより、「革新的医療の開発と社会への還元」という目標を達成しようとしています。

研究スペースの確保と機能向上による魅力ある研究環境の構築、アメニティの向上を図り、快適な職場環境の構築、働きやすい職場環境の構築、社会との連携促進、を目指しますが、そのためには必要なファンデイング・ソースを開拓し、新しい経営手法を導入することも必要になります。

医科研ビジョンの構築と運営は執行部と所長オフィスの経営戦略室を中心にたたき台の案を練っていますが、皆さん方の声、アイデア、参加を待っていますのでよろしくお願いいたします。

今年度も、皆様のご協力をお願いいたします。

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