東京大学医科学研究所

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共同研究

平成29年度若手研究者シンポジウム「若手研究者が拓く最新ゲノム解析研究の道」

 平成29年11月13日(月)13時より、医科研附属病院A棟8F会議室(南)にて「若手研究者が拓く最新ゲノム解析研究の道」と題したシンポジウムが、柴田教授(医科研・ゲノム医科学)をはじめとした皆様の支援のもと、山崎助教(同分野)が中心となり開催されました。
 冒頭の村上所長(医科研)による開催の挨拶では、「ゲノムサイエンスという重要な分野の最新の研究であり、どの演題も大変興味深く、講演を楽しみにしている」との激励のお言葉を頂きました。
 シンポジウムの前半は、数kb~10kbもの長いDNA・RNA鎖を1分子ずつその塩基配列を読む事が出来る最新のシークエンシング手法により、市川和樹先生(東大・メディカル情報生命)はメダカの全ゲノム配列について、関真秀先生(東大・メディカル情報生命)は肺腺癌のトランスクリプトームについて、従来のショートリードによる方法では得られなかった多くの新たな知見が得られた事を示されました。また西村陽介先生(東工大・生命理工学院)は、海水中に存在する多種のウイルスのゲノムが混在したままにシークエンシングを行うメタゲノム手法により、そこに多数の新種のウイルスが居ること、さらにはウイルスの宿主となる細菌の生態との関連性を指摘されました。
 Coffee breakを挟んだシンポジウムの後半において、塩川大介先生(国立がん研究センター)は大腸腫瘍について、細胞1つ1つが持つ遺伝子発現パターンを解析することにより、造腫瘍能の高い腫瘍幹細胞へと至る要因となる遺伝子群や転写因子を特定されました。最終演者の山田真善先生(国立がん研究センター)は、大腸内視鏡検診から得た画像データ群を人工知能の一つの学習方法である深層学習を用いて解析することにより、病変部位を高い精度で、リアルタイムに内視鏡モニター上に図示できる新たな内視鏡画像解析システムを示されました。
 最後に柴田教授から「先鋭的で若い情熱に溢れた素晴らしい研究ばかりであり、また白熱した議論が展開された素晴らしい会であった」との〆のお言葉を頂き、閉会となりました。
何れの講演も、多くの質問やコメントが飛び交い、予定の時間を押すほどの有意義な会となりました。これからのゲノム科学をリードする若手研究者にとって大変価値の高いシンポジウムであったと言えます。

以下のプログラムが実施されました。
13:00-13:05 「開会の挨拶」
        村上 善則(東京大学医科学研究所 所長)
13:05-13:35 「一分子リアルタイムシークエンシングによるゲノムアセンブリ」
        市川 和樹(東京大学新領域メディカル情報生命専攻)
13:35-14:05 「ナノポアシークエンサーを用いた肺腺癌細胞株のトランスクリプトーム解析」
        関 真秀(東京大学新領域メディカル情報生命専攻)
14:05-14:35 「環境ゲノムに基づく海洋ウイルス研究の新展開」
        西村 陽介(東京工業大学生命理工学院)

14:35-14:55  休憩 Coffee Break

14:55-15:25 「Single-cellレベルでの遺伝子発現解析法を用いたMinマウスDSS誘導
        大腸腫瘍におけるLgr5陽性腫瘍幹細胞の多様性解析」
        塩川 大介(国立がん研究センター研究所)
15:25-15:55 「AI技術を活用したリアルタイム内視鏡診断サポートシステム開発
        -大腸内視鏡検査での見逃し回避を目指す-」
        山田 真善(国立がん研究センター中央病院 / 同研究所)
15:55-16:00 「閉会の挨拶」
        柴田 龍弘(東京大学医科学研究所 教授)