東京大学医科学研究所

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共同研究

平成27年度若手研究者シンポジウム「若手研究者が拓く医科学研究の道」

平成27年12月15日(火)13時より、医科学研究所 1号館 講堂にて「若手研究者が拓く医科学研究の道」と題したシンポジウムが、田口 祐(分子発癌分野・助教)と久保田 裕二(分子シグナル制御分野・助教)が中心となり開催されました。
村上所長から、昨今の研究情勢を踏まえた共同研究の重要性、特に若手の研究ネットワークによる新領域の創設や研究の新展開の重要性を開会の挨拶として頂いた後、梶原先生(阪大)から上皮形態形成に関与するSrcの活性化を制御する新規遺伝子産物の機能と分子メカニズムについて紹介頂き、多くの質疑応答が交わされる盛り上がったスタートとなりました。次いで、中田先生(金沢大)から肺腺癌が抗がん剤イレッサへの耐性を獲得してしまう分子メカニズムとその対処法についての研究結果と臨床データ解析結果が、青木先生(京大)から細胞内シグナル伝達因子の活性化の細胞間伝播と細胞運動性に関する新規知見が紹介され、こちらも多くの質疑応答が交わされて盛り上がりました。そのため、続くCoffee Breakが終わっても議論が止まらず、司会者が申し訳無くも着席を促す事態となりました。
引き続き、城村先生(名市大)から細胞老化と細胞周期を関連させる分子メカニズム解析と、それに伴う発癌メカニズム解析結果ついて紹介して頂き、榎本先生(名大)から癌細胞の集団的移動・浸潤における分子メカニズムの細胞から分子レベルに至るまでの詳細な解析結果の紹介があり、癌という疾患のみならず細胞の基礎的な部分に至るまで議論が交わされました。更に、西増先生(東大)からのCRISPR/Cas9システムが開発されるまでの歴史と、Cas9-targetDNA-guideRNA複合体の結晶構造決定と解析から得られた重要知見の紹介、有村先生(東大)からのNMJ形成の分子メカニズム解析とその結果を応用した様々な原因による筋無力症を治療するための新規治療戦略の開発研究結果の紹介が有りました。
閉会に際して井上教授(分子発癌分野)から、臨床応用へと大きく発展させ実を結ぶべく、その土台となる若手による基礎研究の充実と発展を切に望む、との会場に居る若手研究者達に向けた激励の御言葉を頂き、盛会のうちに閉会となりました。多くの演者が未発表データを含む最先端の研究結果を紹介して下さり、そのため活発な討論が終始展開され、大変充実したシンポジウムとなりました。また、シンポジウム終了後には演者の先生方も含む有志で懇親会を行い、更なる議論を重ねつつ、交流を深めて若手研究者ネットワークを構築しました。1つでも多くの共同研究が誕生・発展することを願います。

以下のプログラムが実施されました。

「若手研究者が拓く医科学研究の道」
13:00 村上 善則 / 東京大学 医科学研究所 所長
「開会の挨拶」
13:05 梶原 健太郎 / 大阪大学 微生物病研究所 発癌制御研究分野
「上皮細胞の形態形成におけるSrc活性化の時空間的制御」
13:35 中田 飛鳥 / 金沢大学 がん進展制御研究所 分子病態研究分野
「肺腺癌におけるβカテニンの活性化はイレッサ(gefitinib)への耐性に寄与する」
14:05 青木 一洋 / 京都大学大学院 医学研究科 生命動態制御研究室
「ERK活性伝搬による細胞集団運動の制御」
14:35 Coffee Break
14:55 城村 由和 / 名古屋市立大学大学院 医学研究科 細胞生化学分野
「細胞老化の誘導機構と発がん・個体老化における役割」
15:25 榎本 篤 / 名古屋大学大学院 医学系研究科 腫瘍病理学
「病理形態学からみた下町工場的がん研究 -細胞の集団的移動とがん間質-」
15:55 西増 弘志 / 東京大学大学院 理学系研究科 構造生命科学
「CRISPR-Cas9の構造と機能」
16:25 有村 純暢 / 東京大学 医科学研究所 腫瘍抑制分野
「NMJ形成増強治療の創出」
16:55 井上 純一郎 / 東京大学 医科学研究所 分子発癌分野 教授
「閉会の挨拶」