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平成26年度共同利用・共同研究拠点 成果報告会

平成26年度共同研究拠点・成果報告会 開会の辞

本日はお忙しい中、平成26年度成果報告会にご参加いただき誠にありがとうございます。ご参加の皆様には日頃より本事業のご理解、ご協力を頂いております事に、心より御礼申し上げます。
近年、我が国における研究環境は大きく変わりつつあり、医科学・生命科学分野におきましても基礎研究から臨床研究、さらには臨床応用への加速が強く求められるようになってまいりました。その現れとして、平成27年度は政府の示す重点分野や目標に沿った研究予算配分と、予算の一元化による効率的な研究開発の進展を目指した日本医療研究開発機構(AMED)が立ち上がります。医科研はAMEDの管理・指導のもとで幾つかのプロジェクトを実施する事になると予想され、また、その流れの中で研究成果の医療への社会実装、そして次世代を担う若手研究者の人材育成が大きな目標となって行くと思われます。
本事業は、所外の研究者の方々に共同研究を通して本研究所の人的、物的資源を活用頂くことにより、医科学・生命科学分野の研究進展に寄与することを目的とし、平成22年度より実施を開始し、6年目の平成27年度で第1期の最終年度を迎えます。平成27年度の公募は、昨年11月に締め切り、57課題の申請をいただきました。共同研究の申請課題数は年々増加する傾向にあり、また再申請する終了課題が平成27年度は40%を超えて研究の継続性が見えてまいりましたのは、一重に皆さまのご尽力のおかげであると、感謝を申し上げます。
また、文部科学省からは平成28年度からの第2期のスタート向けて、大学の機能強化・特色化、拠点としての方向性が求められています。医科学研究所では、附置研究所の中で唯一病院を設置している特徴を最大限に活かし、本事業を展開してゆく所存です。同時に、本事業において、これまで以上に広い分野における共同研究を進めることで研究シーズの発掘を目指し、さらに医療への社会実装と若手研究者の人材育成に僅かながらでも貢献できるよう努めてまいりたいと思っています。
さて、本日の成果報告会は、午前の部は弊所の「先端医療研究開発共同研究領域」と「疾患システム共同研究領域」の報告会、午後の部は感染症・免疫の領域で千葉大学真菌医学研究センターと医科学研究所の合同報告会となります。昨年度に引き続き、本年度も両機関合同の成果報告会が開催されました事を大変嬉しく思うと同時に、千葉大学真菌医学センター長の笹川千尋先生をはじめ関係の皆様に大変ご尽力をいただきましたことに深く感謝申し上げます。さらに、本日は午後に、京都大学ウイルス研究所の藤田尚志先生に特別講演をお願い致しております。藤田先生は千葉大真菌医学研究センターと共同研究をされており、また、京都大学ウイルス研究所も共同利用・共同研究拠点であることから、新たな共同研究拠点の連携の輪が広がる事が期待されます。今後も医科学・生命科学並びに周辺学問領域において、相補的な連携を推し進め、拠点活動の充実と新たな展開を図ってまいりたいと思います。どうぞ皆様もこの活動に積極的にご参加いただけますよう、お願い申し上げます。
本日は長時間にわたり、かつ研究テーマが非常に多岐に至っておりますが、皆様にはお時間の許す限り積極的にご参加いただき、活発なご議論を賜りますようお願い申し上げます。
最後にこの報告会を基に、皆様の本事業へのご理解がさらに深まり、皆様との共同研究の、益々の発展へと繋がることを心より願っております。どうぞ今後とも皆様のご指導、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

東京大学医科学研究所
経理系副所長 三宅 健介

平成26年度共同研究拠点・成果報告会

平成27年3月6日(金)、医科学研究所1号館講堂にて、平成26年度共同研究拠点・成果報告会を開催しました。
今年度も昨年と同様に午前の部と午後の部に分け、午前の部は「先端医療研究開発共同研究領域」と「疾患システム共同研究領域」の成果報告会、午後の部は、拠点間の連携の一環として千葉大学真菌医学研究センターと本所「感染症・免疫共同研究領域」との合同成果報告会を実施しました。また、午後の部では、千葉大学真菌医学研究センター長の笹川千尋先生よりご挨拶をいただき、続いて特別講演として、京都大学ウイルス研究所の藤田尚志先生に講演いただきました。
本会での研究テーマは多岐に渡っておりましたが、総勢120名ほどが参加し、終始活発な議論が行われました。

【午前の部】
○先端医療研究開発共同研究領域

①      ②      ③
                     
座長:古川洋一先生
(東京大学医科学研究所)
①時野 隆至先生(札幌医科大学)
  「p53が発現制御する非コードRNAネットワークの基盤構築」
②中原 寛和先生(近畿大学医学部附属病院)
  「単純ヘルペスウイルス1型を用いた口腔癌のウイルス療法」
③梅林 真由美さん(長崎大学大学院 大学院生)
  「機能性microRNAの生体内deliveryによる骨再生促進システムの開発」

○疾患システム共同研究領域

①      ②      ③      ④      ⑤      ⑥

①本間 美和子先生(福島県立医科大学)
  「リン酸化シグナルと関連するキナーゼ複合体包括的プロテオミクス解析」
②鈴木 亨先生 (沖縄科学技術大学院大学)
  「mRNA分解機構が肝臓形成、および肝疾患に与える影響の解析」
③飯笹 久先生 (島根大学)
  「ゲノム編集技術を用いたSOX2発現抑制因子p54nrb/NonO欠損マウスの作製」
④大木 理恵子先生(国立がん研究センター研究所)
  「神経内分泌腫瘍(NET)のがん抑制遺伝子PHLDA3欠損マウス作製によるNET発症メカニズムの解明」
⑤北川 大樹先生 (国立遺伝学研究所)
  「中心小体複製に介在する分子間相互作用ネットワークの同定」
⑥村上 善則先生 (東京大学医科学研究所)
  「秋田県における成人T細胞性白血病の分子疫学・分子病理学的調査」


座長:山梨 裕司先生 (東京大学医科学研究所)




【午後の部】東京大学医科学研究所と千葉大学真菌医学研究センターとの合同成果報告会
○合同成果報告会挨拶



千葉大学真菌医学研究センター
 センター長 笹川 千尋先生






○特別講演



藤田 尚志先生 (京都大学ウイルス研究所)
 「ウイルス感染が誘導する自然免疫シグナルの時空間解析」




○千葉大学真菌医学研究センター成果報告

①      ②      ③      ④
              
座長:三宅健介先生
(東京大学医科学研究所)
①五味 勝也先生 (東北大学大学院)
  「Aspergillus属糸状菌のアゾール系薬剤耐性に関与する転写因子AtrRとSrbAの協調的発現制御機構の解析」
②倉田 祥一朗先生 (東北大学大学院)
  「カンジダ・グラブラータの遺伝子欠損株ライブラリーの構築とショウジョウバエ成虫への殺傷能力を指標とした病原性を規定する遺伝子のスクリーニング」
③豊留 孝仁先生 (帯広畜産大学)
  「Aspergillus fumigatusバイオフィルム形成とその機構」
④柳井 秀元先生 (東京大学生産技術研究所)
  「自然免疫受容体Dectin-1及びDectin-2の抗腫瘍応答における役割の解析」

○感染症・免疫共同研究領域

①      ②       ③       ④       ⑤      ⑥


                                  
座長:米山 光俊先生
(千葉大学真菌医学研究センター)
①上野 貴将先生 (熊本大学エイズ学研究センター)
  「日本人HIV感染者のHIVアクセサリー遺伝子の解析」
②立川 愛先生 (東京大学医科学研究所)
  「HIV感染細胞におけるHIV抗原の抗原提示動態に関する研究」
③今井 正樹先生 (岩手大学)
  「インフルエンザウイルスのヒト上気道細胞での増殖を制御する因子の同定とその解析」
④小柴 琢己先生 (九州大学大学院)
  「インフルエンザウイルス由来・タンパク質と宿主ミトコンドリアとの相互作用解析」
⑤水島 恒裕先生 (兵庫県立大学大学院)
  「赤痢菌病原因子の構造解析による作用機構の解明と創薬への応用」
⑥Kun-Yi Hsin先生 (沖縄科学技術大学院大学)
  「Discovery of anti-influenza agents and drug targets using curated pathway map (FluMap) and high-precision molecular docking simulation」
⑦横田 恭子先生 (東京工科大学)
  「HIV-1の潜伏感染とその長期生体内維持に関わる分子機構の解析」