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平成25年度共同利用・共同研究拠点 成果報告会

平成25年度共同研究拠点・成果報告会 所長挨拶

本日はお忙しい中、平成25年度成果報告会にご参加いただき誠にありがとうございます。ご参加の様方には、日頃、本事業のために大変ご尽力をいただき心より感謝申し上げます。
今まで、日本の大学は国内における高等教育・研究機関として、その中核的役割を果たしてきました。一方で、それを取り巻く社会環境とニーズは目まぐるしいスピードで変化し、そして世界基準での教育・研究環境の提供を求められるようになっています。それに対して、日本版NIH構想、大学ガバナンス改革などが取沙汰され、我が国における研究環境は大きく変わろうとしています。その改革は、次世代を担う日本の若手研究者が持つポテンシャルを発揮できる環境作りに役立つものでなければいけません。私たちは、共同研究拠点事業もそうですが、あらゆる場を活用して未来を担う若手研究者たちのポテンシャルを覚醒させ、それを実践的な能力へと高めるよう努力を続けなければならないと思っております。
本事業は、所外の研究者の方々に共同研究を通して本研究所の人的、物的資源を活用頂くことで、医科学・生命科学分野の研究の進展に寄与することを目的としております。その中で、研究組織には大学院生を含む若手研究者にも積極的に参加いただくよう呼びかけてまいりました。平成26年度の公募は昨年11月に締め切り、55課題の申請をいただいております。その申請課題の研究組織総人数のうち、大学院生や若手研究者の人数は約3分の1を占めております。皆様方のご協力のもと、応募課題数は年々増加傾向にあり順調に進展していると同時に、成果報告会、国際シンポジウム、若手シンポジウムなどの研究集会を毎年定期的に開催してまいりました。本事業は、若手研究者を含む多くの方々に弊所の研究環境を開放し、皆様の共同研究を下支えする地道な活動ではございますが、その積み重ねが本研究分野への力強い貢献につながることと確信をしております。
昨年、文部科学省により行われました本事業の中間評価では、皆様のご尽力によりおかげさまで高い評価をいただくことができました。本事業期間の後半に入った今、将来に向けて新たな事業の進展を模索する時期となり、本所はその1つとして、医科学・生命科学研究に取り組む他の共同利用・共同研究拠点大学との連携を図ってまいりたいと思っています。本日はまずその第一歩として、千葉大学真菌医学研究センターとの合同開催を企画いたしました。これに関しまして、真菌医学研究センター長の笹川千尋先生、そして関係の皆様に大変ご協力をいただきましたことを、この場をお借りして御礼申し上げます。
笹川先生は2年前まで弊所の教授でおられ、現在も微生物学の分野で多くのご指導を賜っております。また先代の真菌医学研究センター長、野本明男先生も弊所の教授をされていた時期があり、大変深いご縁を感じております。 両機関は、これまで共同研究や学術集会を通して交流を図って参りましたが、互いに共同利用・共同研究拠点として認定されましたことは、新たな連携活動の展開を図る良い機会を頂いたことと考えております。今後、これを機会に両機関が中心となり、医科学・生命科学並びに周辺学問領域においてミッションを共有する他機関の共同利用・共同研究拠点にもご参加をいただいて、相補的連携から新しい成熟した連携活動を目指して、模索と実現化を図ってまいりたいと思います。どうぞ皆様もこの活動に積極的にご参加いただけますよう、お願い申し上げます。
本日、午前の部は弊所の「先端医療研究開発共同研究領域」と「疾患システム共同研究領域」の成果報告会、午後の部は千葉大学真菌医学研究センターと弊所の「感染症・免疫共同研究領域」の合同成果報告会となります。また、午後1時30分からは千葉大学真菌医学研究センターの亀井克彦先生と弊所国際粘膜ワクチン開発研究センターの長谷耕二先生による特別講演を設けております。本日は長時間にわたり、かつ研究テーマが非常に多岐にわたっておりますが、皆様にはお時間の許す限り積極的にご参加いただき、活発なご議論を賜りますようお願い申し上げます。
最後にこの報告会を機に、皆様の本事業へのご理解がさらに深まり、皆様との共同研究の、益々の発展へと繋がることを心より願っております。どうぞ今後とも皆様のご指導、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

東京大学医科学研究所
所長 清野 宏

平成25年度共同研究拠点・成果報告会

平成26年3月7日(金)、医科学研究所1号館講堂にて、平成25年度共同研究拠点・成果報告会を開催しました。
今年度は午前の部と午後の部に分け、午前の部は「先端医療研究開発共同研究領域」と「疾患システム共同研究領域」の成果報告会、午後の部は、新しい試みとして千葉大学真菌医学研究センターと本所「感染症・免疫共同研究領域」との合同成果報告会を行いました。また、午後の部の冒頭には、真菌医学研究センター長の笹川千尋先生よりご挨拶をいただき、それに続いて特別講演として両機関を代表し、亀井克彦先生(千葉大学)と長谷耕二先生(医科研)に講演いただきました。
本会では2課題の特別講演と24課題の成果報告を行い、その研究テーマも多岐に渡っておりましたが、終始活発な議論が行われました。

【午前の部】
○先端医療研究開発共同研究領域

   ①      ②     ③     ④      ⑤      ⑥

①片桐 豊雅先生(徳島大学疾患プロテオゲノム研究センター)
②竹谷 英之先生(東京大学医科学研究所)
③佐藤 奈津子先生 (東京大学医科学研究所)
④紙谷 聡英先生(東海大学創造科学技術研究機構)
⑤久保 泰先生 (産業技術総合研究所)
⑥門脇 則光先生(京都大学)

○疾患システム共同研究領域

   ①      ②     ③     ④      ⑤      ⑥

①三浦 直行先生 (浜松医科大学)
②徳永 文稔先生 (群馬大学生体調節研究所)
③高橋 智聡先生 (金沢大学がん進展制御研究所)
④海野 浩寿先生 (国立成育医療研究センター研究所)
⑤青木 光希子先生(福岡大学)
⑥角田 茂先生  (東京大学大学院農学生命科学研究科)

【午後の部】東京大学医科学研究所と千葉大学真菌医学研究センターとの合同成果報告会
○合同成果報告会挨拶

千葉大学真菌医学研究センター
 センター長
 笹川 千尋先生






○特別講演

   ①      ②

①亀井 克彦先生 (千葉大学真菌医学研究センター)
  「真菌症の現状と展望」
②長谷 耕二先生  (東京大学医科学研究所)
  「腸内細菌による免疫エピゲノム修飾作用」

○千葉大学真菌医学研究センター成果報告

   ①      ②     ③     ④      ⑤

①座長:川本 進先生 (千葉大学真菌医学研究センター)
②廣瀬 晃一先生 (千葉大学)
③森山 裕充先生 (東京農工大学)
④松浦 彰 先生 (千葉大学)
⑤久保田 高明先生 (北海道大学)

○感染症・免疫共同研究領域

   ①      ②     ③     ④      ⑤      ⑥

   ⑦      ⑧     ⑨

①猪腰 淳嗣先生 (北里大学)
②稲田 健一先生 (藤田保健衛生大学)
③江下 優樹先生 (大分大学)
④大学院生のLucky Ronald Runtuweneさん (大分大学)
⑤大学院生の小川 遼さん (東京大学医科学研究所)
⑥呉羽 拓 先生 (沖縄科学技術大学院大学)
⑦牧野 晶子先生 (京都大学ウイルス研究所)
⑧小澤 真 先生 (鹿児島大学) 
⑨伊藤 量基先生 (関西医科大学)


※成果報告会のプログラムにつきましてはこちらをご覧ください。
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/events/others/poster140307.pdf

成果報告会のプログラム
○先端医療研究開発共同研究領域
①片桐 豊雅先生(徳島大学疾患プロテオゲノム研究センター)
 「乳癌における新規エストロゲン受容体活性化制御機構の解明と新規創薬の開発」
②竹谷 英之先生(東京大学医科学研究所)
「自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた血友病性関節症に対する再生医療の臨床試験 (第Ⅰ相)」
③佐藤 奈津子先生 (東京大学医科学研究所)
 「成人臍帯血ミニ移植後の白血病細胞におけるミスマッチHLA発現レベルの解析」
④紙谷 聡英先生(東海大学創造科学技術研究機構)
 「肝障害誘導マウスを用いた胆管分化・再生機構の解明」
⑤久保 泰先生 ((独)産業技術総合研究所)
 「人工シャペロン機能の創出およびペプチド進化工学への利用に関する研究」
⑥門脇 則光先生(京都大学)
 「造血器腫瘍に対するHSV-1ウイルス療法の開発」

○疾患システム共同研究領域
①三浦 直行先生 (浜松医科大学)
 「リンパ管形成におけるFoxc2遺伝子発現細胞系譜の解明」
②徳永 文稔先生 (群馬大学生体調節研究所)
 「NF-κBシグナルにおける特異的ユビキチン化基質の同定と癌化との関連」
③高橋 智聡先生 (金沢大学がん進展制御研究所)
 「細胞自律的炎症とメタボリック・リプログラミングによるがん幹細胞維持機構」
④海野 浩寿先生 (国立成育医療研究センター研究所)
 「アトピー性皮膚炎自然免疫型発症機構の解明」
⑤青木 光希子先生(福岡大学)
 「MT1-MMPおよびMT1-MMPと相互作用する分子群によるがんの悪性形質獲得の
 分子機序の解明と臨床応用」
⑥角田 茂先生  (東京大学)
 「遺伝子欠損マウスを用いた消化管運動・炎症制御遺伝子の発がんにおける機能の解析」

【午後の部】医科学研究所と千葉大学真菌医学研究センターとの合同成果報告会
○特別講演
①亀井 克彦先生 (千葉大学真菌医学研究センター)
  「真菌症の現状と展望」
②長谷 耕二先生  (東京大学医科学研究所)
  「腸内細菌による免疫エピゲノム修飾作用」

○千葉大学真菌医学研究センター成果報告
①廣瀬 晃一先生 (千葉大学)
 「スエヒロタケ(Schizophyllum commune)特異的IgE抗体測定ELISA法による
 喘息患者における感作率の検討」
②森山 裕充先生 (東京農工大学)
 「マイコウイルス由来新規抗菌性タンパク質の単離とそれを利用した抗病原性真菌剤の開発」
③松浦 彰 先生 (千葉大学)
 「Cryptococcus neoformans の特異なゲノム安定化機構の分子基盤
 -それを標的とした新規治療戦略を目指して-」
④久保田 高明先生  (北海道大学)
 「海洋生物を素材とした抗真菌剤の開発」

○感染症・免疫共同研究領域
①猪腰 淳嗣先生 (北里大学)
 「新規抗ウイルス剤をめざしたRNA干渉制御物質のスクリーニング」
②稲田 健一先生 (藤田保健衛生大学)
 「ウイルス感染に伴い形成される遺伝子制御ネットワークの解明とそれに基づく
 新規診断マーカーと治療標的の同定」
③④江下 優樹先生、Lucky Ronald Runtuweneさん (大分大学)
 「ゲノム情報を利用した蚊媒介性疾患制圧のための網羅的発現遺伝子解析」
⑤小川 遼 さん (東京大学医科学研究所)
 「Molecular Structure of Herpesviruses by Cryo-Electron Microscopy」
⑥呉羽 拓 先生 (沖縄科学技術大学院大学)
 「胸腺上皮細胞におけるCCR4-NOT複合体の生理学的意義の解明」
⑦牧野 晶子先生 (京都大学ウイルス研究所)
 「内在性フィロウイルスの機能解析」
⑧小澤 真 先生 (鹿児島大学)
 「A型インフルエンザウイルス感染動態の生体内ライブイメージング」
⑨伊藤 量基先生 (関西医科大学)
 「ヒトToll様受容体の発現と機能の解析」