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2020年度共同研究(国内)募集要項

東京大学医科学研究所国際共同利用・共同研究拠点事業
2020年度共同研究募集要項(国内)

東京大学医科学研究所(以下「医科研」)は、「基礎・応用医科学の推進と先端医療の実現を目指した医科学共同研究拠点」として文部科学大臣より認定を受け、2010年度より共同利用・共同研究拠点事業を進めてまいりましたが、2018年11月13日に国際共同利用・共同研究拠点に認定され、改めて「基礎・応用医科学の推進と先端医療の実現を目指した医科学国際共同研究拠点」として活動を展開しております。これにより、国際レベルでの医科学研究水準の向上、当該領域の新しい学術・科学的知識の増大、革新的医薬品・医療技術の研究・開発の推進、医科学研究人材の育成と幅広い交流の促進などを目指すとともに、最新のゲノム解析の結果や再生医療技術などの研究基盤と技術を国内外の多くの研究者に開放して、新たな融合的研究領域の創生を図ることを目指します。
 本事業では拠点活動として、以下に示す「先端医療研究開発共同研究領域」、「ゲノム・がん・疾患システム共同研究領域」、「感染症・免疫共同研究領域」の三つのコアとなる研究領域を設け、各領域に関連する共同研究課題を公募します。国内外の多様な研究機関の研究者の方々に医科研へ来所いただき、これらの共同研究を推進することで研究が活性化され、新たな共同研究の展開に結びつく課題を募集します。
 なお、これまでは海外研究機関からの応募も受け入れておりましたが、今年度より、本募集は国内研究機関からのみとし、海外研究機関の方は「国際共同研究公募(International Joint Research Project FY2020 Call for Proposals)」にご申請ください。

(1) 先端医療研究開発共同研究領域

 医療につながる基礎研究成果を臨床へ応用するための橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ:TR)はその重要性が唱えられ、戦略重点科学技術として推進されてきました。東京大学医科学研究所は、平成19年度に、文部科学省のプロジェクト「橋渡し研究支援拠点形成プログラム」の一環として、東京大学を実施機関とする「先端医療の開発支援拠点形成と実践」というテーマが採択されたのを受け、これまでTRの推進拠点として精力的に基礎研究並びに初期臨床試験を実施してきました。
 現在、医科学研究所ではTRを目指し、ヒトゲノム、がん、免疫、感染症及び幹細胞治療を対象とした幅広い研究が行われています。ヒトゲノム研究では、スーパーコンピューターを用いた遺伝子情報の解析による難治性疾患の先端研究を行い、遺伝子診断技術の開発、分子標的療法の開発などを目指すと同時に、生物学の発展に必須な基盤研究を進めています。がん、免疫、感染症分野では附属病院における診療と深く連携しつつ基礎研究成果を発展させ、臨床応用を目指すと共に、臨床試験結果の解析を踏まえた基礎研究を行なっています。また、幹細胞治療研究では基礎研究の成果と、附属病院における先端医療の実績と経験を融合することで、幹細胞移植医療をさらに発展させ、難病治療に対する幹細胞治療法の開発研究を目指しています。
 この様な医科学研究所のTRへの取り組みをさらに推進させるために、先端医療研究開発共同研究領域では、附属病院における診療と深く連携しつつ基礎研究成果を発展させ、臨床応用を目指す研究課題を公募します。

(2) ゲノム・がん・疾患システム共同研究領域

 本共同研究領域では、ゲノム、がん、疾患システムにおよぶ研究分野において基礎研究を医療へとつなぐ革新的かつ独創的な共同研究課題の募集を行います。
 ゲノム研究分野では、先進的シークエンサー技術や解析技術の開発、適切な治療方法を各患者に適用する遺伝子診断技術の開発、疾患の早期診断のための新規分子マーカーの同定と新たな分子標的療法の開発などの研究や、ゲノム情報と医療情報をリンクさせたデータベースなどゲノム情報に基づく様々なデータベースの構築を行う事により、革新的な医療と疾患の予防を目指します。
 がん研究分野では、細胞の癌化・悪性化に関与する、複数の癌遺伝子、癌抑制遺伝子の構造異常、発現異常において、これら癌関連分子の遺伝子、蛋白質、細胞、モデル動物、人体病理組織レベルでの機能解析を通じて、発癌と進展の分子機構の解明と、癌の新たな診断法、治療法に結びつく分子標的の同定を目指します。特に、細胞分裂時の染色体分配や、細胞の増殖、分化に関わる細胞内シグナル伝達、転写制御の分子機構を解明し、癌におけるその破綻の意義を明らかにする研究や、生理的な細胞間接着と細胞・間質相互作用、並びにその破綻としての癌細胞の浸潤、転移の分子機構を明らかにする研究を進めます。
 疾患システム研究分野においては、生体を一つのシステムと考え、疾病を生体システムの異常として捉えることにより、新たな治療法・治療薬の開発を目指します。生体システムは多くの遺伝子の働きによって恒常性が保たれ、多くの疾病には遺伝子の機能異常が関与することから、新たな治療法の開発のためには、疾病に関連する遺伝子の機能とそれらの相互関係を個体レベルで知ることが重要です。本共同研究計画では癌や、自己免疫、感染症などの疾病について、発症過程で重要な役割を果たしていると考えられる遺伝子の遺伝子欠損マウスを系統的に作製し、これらの遺伝子の機能と相互関係を明らかにして発症病理を解明すると共に、新たな治療法・治療薬の開発を行うことを目的とします。

(3) 感染症・免疫共同研究領域

 わが国では、インフルエンザウイルス、HIV、赤痢菌、病原性大腸菌、ピロリ菌などの新興・再興感染症、多剤耐性病原体、院内感染症などの問題がより深刻化し、感染症に対する社会の関心・認識が急速に高まってきています。人的交流のグローバル化、地球の温暖化、高齢化など、さまざまな要因により、感染症は今後ますます深刻化することが懸念されます。さらに生活習慣・環境の急激な変化は、感染症に影響し、宿主応答の異常に起因するアレルギー疾患や自己免疫疾患の急激な増加を引き起こしており、これらの疾患も今後さらに増加することが懸念されます。
 このような背景をふまえて、感染症・免疫共同研究領域では、感染症及び宿主における免疫応答についての基礎的な研究を進めると同時に、そこで得られた知見に基づいた新たなワクチンや治療法の開発を目指します。
 これを踏まえ、本領域で進行中の研究のさらなる進展に結びつく共同研究、新たな解析技術を導入しうる共同研究、及びこれらの研究システムを新たな病原体や領域に応用する共同研究を公募します。

※弊所の研究分野につきましては東京大学医科学研究所ホームページをご覧ください。
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/lab/organization/



1. 公募関係
A 募集内容
上記、「先端医療研究開発共同研究領域」「ゲノム・がん・疾患システム共同研究領域」「感染症・免疫共同研究領域」の3つのコア共同研究領域に関連する研究であって、医科研と当該申請研究者が協力することにより新たな進展が期待されるもの。
B 共同研究に対する医科研からの支援体制
共同研究において医科研の施設・設備等を利用することが可能です。なお、施設・設備等の利用にあたっては、医科研側の受入教員と協議願います。

2. 申請資格者
大学並びに公的研究機関に所属する教員・研究者。
なお、研究分担者(組織)に若手研究者・大学院生・学部学生(4年、6年制の場合は5年以上)を含めることが可能です。若手研究者・学生の積極的な参加を求めます。
なお、参加する大学院生、学部学生は「学生教育研究災害傷害保険」等に必ず加入し、特に学部学生においては学生の所属機関の助教以上の教員、もしくは、受入教員研究室の研究者の監督下で実験等を実施してください。

3. 共同研究期間
採択する研究期間は、2020年度以内(2020.4.1~2021.3.31)です。
なお、本事業における共同研究期間は、それぞれの研究内容によって異なりますが、概ね1~3年間程度を想定しています。複数年度にわたる共同研究を希望する場合は、複数年度にわたる研究計画の全体の評価と当該単年度の研究計画の評価の双方を勘案して審査を行います。ただし、2年目以降につきましては、継続のための申請書を改めて提出いただき、採否の審査を受けていただくことになります。
なお、本共同研究拠点の認定期間は2021年度(2022年3月31日)で一旦終了いたしますので、新規申請の場合の共同研究期間は最長2年間となります。

4. 申請方法
共同研究を希望される方は、医科研側の受入教員と事前に打合せを行ったうえ、次の申請書(①)を提出ください。
複数年度にわたる共同研究の継続を希望される場合は、次の申請書等(①、②(進捗状況))の提出をお願いいたします。
なお、医科研の各研究分野・所属教員・研究の概要等は、医科研ホームページをご覧ください。
 ホームページ http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/
申請書等の各書式は、医科研のホームページからダウンロードしてご使用下さい。
①2020年度共同研究申請書(国内)様式1
②2019年度共同研究報告書(国内)様式2

※今年度より各種承諾書の提出は省略いたします。その代わりに申請課題が採択された場合、研究組織に属する方(医科研所属の者は除く)は、共同研究に関する誓約書をご提出いただきます。

5. 申請書提出期限
2019年11月29日(金) 必着

6. 申請書提出先
 東京大学医科学研究所 研究支援課研究推進チーム
 ken-jo[at]ims.u-tokyo.ac.jp
※Wordファイルにてご提出ください。

7. 採否
新規申請および継続申請の採否は、専門委員会、運営協議会において審査後、概ね3月下旬頃までに、申請者へ通知します。
なお、採択された場合、共同研究の研究者の方々には、「東京大学医科学研究所拠点研究員」として委嘱いたします。

8. 研究経費
共同研究に必要な研究経費は、単年度100万円を上限として申請いただけます。
経費は、主に医科研へ来所するための旅費(学会のための旅費や医科研教職員が申請機関へ行く旅費は含みません)として使用頂きます。なお医科研における消耗品費としても使用頂けますが、原則来所での使用となります。

9. 共同研究報告書の提出(「4.申請方法」②様式2)の提出
単年度課題
 2020年度終了後に、共同研究報告書(研究完了)を提出して頂きます。
複数年度課題
 毎年度終了後(最終年度は除く)に、共同研究報告書(年度)を提出して頂きます。
 最終年度終了時に、計画期間全体の研究成果を共同研究報告書(研究完了)として提出して頂きます。
※全ての報告書は「6. 申請書提出先」へ提出して下さい。
※報告書の記載方法、提出期限などについては、後日連絡します。
※研究終了時に、当該研究活動に関するアンケートを実施いたしますので、ご協力をお願いいたします。
研究成果としての論文について、著者に医科研の者が含まれていない場合、本事業への謝辞がない論文は本事業の成果と認められませんので、謝辞を記載願います。

10. 共同研究報告書の公開
「9. 共同研究報告書の提出」で提出頂いた報告書については、医科研が必要とする範囲内において、HPでの公開、事業報告書への引用等に利用されます。 知的財産権にかかる記述につきましては、ご留意の上、ご作成ください。

11. 論文の提出
本共同研究の成果として学術論文を発表される場合は、論文中に本所との共同研究であることを記載して下さい。さらに別刷り1部を「6. 申請書提出先」へ提出願います。
本事業の英語名:International Joint Usage/Research Center
謝辞例文: This study was supported (partly) by a Grant from International Joint Usage/Research Center, the Institute of Medical Science, the University of Tokyo.

12. 知的財産権の取扱い
発明等が出た場合は、原則として、当該発明に係る各研究者及びその機関の貢献度を考慮し、当該機関間で協議して帰属等を決定します。

13. 問い合わせ先
東京大学医科学研究所 研究支援課研究推進チーム
 〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1
 Tel:03-5449-5220    Fax:03-6409-2017
 E-mail: ken-jo[at]ims.u-tokyo.ac.jp