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ご挨拶

関連項目: 分子療法分野の紹介
血液腫瘍内科の紹介


東條 有伸


  私は、東京大学医科学研究所(医科研)先端医療研究センター 分子療法分野 教授と医科研附属病院 血液腫瘍内科長およびセルプロセッシング・輸血部長を兼任しています。 先端医療研究センターでは、医科研の基幹部門やヒトゲノム解析センター、 ヒト疾患モデル研究センターと協力して基礎と臨床の橋渡しとなる目的指向型の研究を遂行していますし、 いっぽう附属病院では、全国唯一の国立大学法人付置研究所附属病院を特徴づける探索的臨床研究の実践を目指しています。
  血液腫瘍内科の対象疾患、特に入院治療を要する疾患の多くは、 白血病や悪性リンパ腫に代表されますように迅速かつ正確な診断と適切な治療方針が生命予後に直結しますので、 血液疾患はきわめて専門性の高い疾患領域です。 血液腫瘍内科は、患者さんが重症化するリスクも高く、医療スタッフの負担も大きいため研修医や学生さんから敬遠されがちです。 しかしながら細胞移植、分子標的薬、細胞標的薬など先駆的な治療方法や遺伝子診断、 細胞表面マーカー解析などの新しい診断技術がいちはやく導入されており、 モチベーション次第できわめて働きがいのある診療科であると自負しています。 血液学は、過去20年の間に臨床・研究両面における進歩が最も著しかった分野のひとつですが、 疾患の発症メカニズムの解明や治療成績の向上に関して私たちがチャレンジすべき課題はまだ多く残されています。
  病床数135床という小規模な医科研病院は、数百床〜千床規模の大学医学部附属病院と異なり、 プロジェクト診療と開発医療に活路を見出すことが重要な任務となっています。 血液腫瘍内科でも、前任の浅野茂隆教授の代に我が国有数の造血幹細胞移植拠点として実績を築き、本邦初のがん遺伝子治療の臨床試験も実施しました。 現在は、成人の造血器腫瘍に対する臍帯血移植に重点を置き、世界最高水準の治療成績を挙げています。 また、研究分野では、「ベンチからベッドサイドへ」の理念の下に低分子化合物やモノクローナル抗体、核酸医薬、 遺伝子を利用した標的治療や新たな細胞療法の開発をめざした研究に取り組んでいます。 当ホームページを通じて私たちの行なっていること、目指していることを知っていただけたら幸甚です。

平成17年8月



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最終更新日:2005年8月5日
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